マジで怖かった


会社の帰りの山手線内の出来事。


アタシは端っこの席に座ってまして、iphoneいじってたんだけど
ふと気が付いたら社内がギュギュウ詰めだったんですわ。
どうも並走している京浜東北線が人身事故だか何だかで止まってた
みたいで、京浜東北線に乗ってた人が山手線に流れてきたようで。


アタシの目の前に立ってたサラリーマン風のオッサン。
アタシと同じくらいの年齢か、もうちょっと上かって感じなので
40〜45歳位かしら?
上着は来てなかったけど、スーツと言うかスラックスで
Yシャツ来てて、見た目はおかしくないっていうか至って普通。


したら「もう死ぬしかねぇのか」って悲壮感満載の声で言うと
同時に、アタシの横の鉄の手すりを結構な勢いで「ドン」って
殴ってねぇ。


40年近く生きてますけど、初めてですわ、
自分の中に動物としての本能があることを知ったのは。
本能というか脳というか身体が全力で命令するのね、
「目を合わせてはイカン」って。
なんだかものすごく伝わってくるんですよ、彼の中に
自分に対して、あるいは他者へ対しての殺意のようなものが
断固たる決意のようなものとしてあることが。


さすがに周囲の空気も一瞬で変わった。
横にいた別のオッサンは次の駅で降りてたし。


相変わらず「目を合わすな」という感じだったんだけど、
そのオッサン、よりによってアタシの隣に座りやがって。
「見ちゃイカン」と思いつつもオッサンの表情を窺うと
目が尋常じゃない。完全に逝っちゃってる目だ。
酒に酔ってる風でもなく、ただただ逝っちゃってる目だ。


結局2駅の間、オッサンの隣に座ってた訳ですが、まぁ
何事もなくアタシが先に降りたんですけどね。

その後、飛び込みとか通り魔とかあったら
「あぁ、あのオッサンか」という感じ。


いやぁ、怖かった。マジで。

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あの目の人間には勝てる気がしないし、やっぱり。